『来料加工工場』

本日は、『来料加工工場』というお話です。

今、来料加工工場という形態の会社で働き始めました。
レギュレーションは多少の知識はあったものの、
実際に中身の構造を覗いて見ると、意外な所が一杯!
そんな内容を書いてみたいと思います。

来料加工工場というのは、
中国側の総廠と呼ばれる企業が工場と従業員を準備し、
外資企業(一般的には香港法人)が設備、材料を無償支給し
委託加工を行う方式を言います。

この方式は、出口加工区(EPZ)よりも、様々な制限があります。
ですので、何が良いんだか自分自身良く分からなかったんです。

だって、国内販売が出来ず、全て輸出せねばならないし、
現調部品だって、一回輸出するのであまりコストメリットが出ないんです。

何よりも、営業活動をするような形態で作られた制度でないので、
現地での拡販的な行動はする必要が無いと言うか、
しても意味の無いようなレギュレーションとなっているのです。

ですので、企業を経営していくと言う事を考えた時に、
何が良いのかまったくわからなかったんですね。
だって、発展を見込むような工場では無いと言う事ですので。

来料加工工場は、生産だけをするという風に完全割り切りの工場であり、
生産できればそれで良いのです。
人材を育てる必要はあまりないのも実際のところ。
だって、日本から生産にまつわる殆どの部分はコントロール可能ですので。

会社の財務データにしても、細かく細分化して分析する必要もない。
だって、加工費もらって、手数料と給料払ってそれでおしまい。
利益があまりにも残ってしまうようであれば、加工費を値下げさせるだけ。
生産に関わるものは全部支給で、一部立替払いの請求とするだけ。
だから、備品などの費用に対するコスト意識はほぼ芽生えません。
人件費以外の費用の事など管理する必要は特にないのです。

で、仕事は全て本社から。
仕事量がなくなれば、当然赤字。
でも、対策など取りようもなく、せいぜいリストラぐらい。
結局、本社の受注が振るわないとどうしようもないので、
市場の状況によっては、撤退となってしまう事もあります。

簡単にはこんな感じなのですが、
ところで、来料加工工場は何がいいんだい?
いうところなんですが、
思ったより、良い感じの内容が沢山ありました。

要は、かなり日本からのコントロールがしやすいため、
生産委託だけをする事でコストが大幅に減る場合は、
非常に魅力的なレギュレーションを持った工場なのです。

だって、生産手配が出来るメンバーと、
ラインの問題を解決できるメンバーがいればそれだけで基本OK。
財務的にも、家計簿に毛の生えたようなレベルで全く問題なし。
しかも、香港法人を使っているので、制約が殆どない。
そして、生産人員は中国側の工場が準備してくれるのです。

要は、中国で法人を経営する際の面倒で分かりづらい内容を
無くせるようなレギュレーションである為大人気だったのです。

もっと言ってしまうと、労働争議が起きにくい状況でもあります。
だって、工場の経営者は村の役人さんとかだったりするので、
面子に掛けても徹底処置をするでしょうし、
そんな役所相手に、わざわざ反乱を起こしても仕方ないのです。
だから、安心して工場を運営できちゃうんですね。

でもでも、中国側にとっては、あまり良いレギュレーションでなく、
税収確保の面から考えても、来料加工総廠と呼ばれる中国側の工場が
結構うまい事ピン撥ねしまくり、脱税しまくる部分の問題を考えても、
来料加工の価値って言うのはあんまり無くなって来てしまったんです。

で、広東省は来料加工工場を独資企業化させるべく、
通達を出したんですよね。
で、2013年までに独資化すること!みたいな感じで。
特に、シンセン、トンガンあたりの推進が凄かったようです。
沢山来料加工工場がありましたので。

でもウチは、、、まだ来料加工してます。。。
広州市は、推進にあんま積極的でないみたいです。
だから、継続出来ちゃったりしています。

でも、オイラがこの会社に来たのは、
独資化をしようっていうのも理由の一つ。
だから、今後はその方向で進んでいく予定。
だって、もう来料加工だけじゃ食べていけなくなったので。

ただ、法人成りは、、、チョット大変だと思います。。。
だって、しっかり会社経営しなきゃならないのに、
その土台が全く無いようなものなんだもの。

今日、財務データを見ながら色々質問したけど、
家計簿だよね。
法人成り後の工場コストの試算に使えやしない。。。

ゼロから作る方が、楽な部分が沢山あるような状況ですね。
まぁ、生産は放っておいても進むような土台があるので、
そこは、ゼロからに比べればかなりのものなんですが、
経営を考えた時に、、、大変ですね。。。


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編集後記

何か、地下鉄の切符代が安くなっているみたい。
交通カードと言うSuicaみたいなカードを作ったのですが、
気が付いたら最初の切符代より安くなっているんです。

駅で切符買うと7元
交通カード使うと6.65元
で、今は、4.2元

なぜ4.2元になったのかは謎なのですが、、、
まぁ、安くなることに越した事は無いですね!
沢山乗ると少し割引を適用してくれるのかしら???
謎が解けたらまたここで報告しますね(笑)

割合的には、6.65元が5%引き
4.2元が40%引きとなるので、何か決まりがありそう。

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