『改善 Part.4』

昨日は、来期以降の中期計画立案の会議がありました。

久しぶりに、本当に思っている内容を発言しました。
ここんとこ少し遠慮していたのです。
あまりにも意見を聞く雰囲気を持たない総経理なので。

チョット、部長以上の雰囲気も悪くなっているなって感じて、
一発賭けに出てみました。
まぁ、結果はまずまずでしょうか。
他の部長も意見を言えましたので。

ただ、それでも、総経理の反応はまだまだのレベルです。
やはり、自分の考えた事を曲げるのを嫌うようです。
こんなだから、コミュニケーションが減ってしまうんですよね。
分からん事は認めてしまえば良いのに。。。
ホント、難儀な人。

これをきっかけに、何かが変わっていくと良い気がします。
この頃、課長さんの士気は上がり始めてきていますので。

そして、昨日の夜は、チビと一緒に器械体操をしました。
夕食で晩酌した後の倒立や前転、後転は効きますね!
グラングラン酔いが回ってしまいました。

それでも、昔取った杵柄、結構上手い事出来るもんです。
でも、やはり昔のようにはいかないようです。
かなりしんどかったです。
倒立前転は、、、倒立静止など不可能ですわ。


さて、本日は、『改善 Part.4』です。

昨日に引き続き、個別の改善項目について説明します。

検査自動化、人員削減
検査と言う工程は、何の付加価値も生まない工程です。
ですから、限りなく削減できる部分はゼロに近付ける
考え方が原則となります。
しかしながら、中には外観を確認しないと
品質が保証できないこともあるかと思います。

当然、前工程段階で品質保証が出来るようにするのが重要なのですが、
なかなか難しい部分もあり、また、改善効果的に見込が低いとなると、
なかなか対応していけません。

そのような状況下では、検査自体を自動化してしまう事も、
短期的には良いと考えられます。
但し、投資が発生する場合には、回収期間を短く見積るなど、
事前検討は可能な限り細かく、慎重に行う必要があります。

自動化をしたとしても、ゆくゆくは品質が保障できるようにし、
検査工程自体を取り消すぐらいの考えで対応しなければなりません。
よって、簡単には導入しない方が良い改善対象であります。

また、塗装印刷等の加飾工程がある場合には、
官能検査である目視検査が行われる事が当たり前とされていますが、
こちらについては、全てを自動化させるのではなく、
一部を自動化させムラ取りの方向で対応するのも一つの方向です。
と言うのも、色、ブツ、ケバ、光沢、ムラ感等、
複合的に目し検査する場合は、
抜けや見落としが起きてしまう為です。

よって、色と光沢だけを目視し、
ブツやケバ等は自動選別させてしまうのも手です。
検査時間の短縮とムラの低減につながると思います。

省エネに対する改善
成形工場でのエネルギーの使い方というのは、
非常に愚かに映るところがあります。

材料を乾燥させる為に除湿熱風乾燥機等を使用しますが、
その熱風排気が出ます。
材料を溶解させ金型に流し込みますから、
バンドヒーター等からの放射熱が出ます。
金型に溶融材料を注入し、冷却を行いますが、
その温度は常温より高く、80度以上となるものばかりですので、
金型からの放射熱も発生します。
そして、取り出された製品もまだ熱を帯びていますので、
そこからの放射熱があります。

この無駄となった熱を冷ますために、
冬でもクーラーを入れなければならないという状況になるのは
非常に滑稽でありますが、実際にそうなっているのです。

そこで、この無駄な熱量をどう低減させるか?
これをしっかりと検討していくのが好ましいです。

方向的には、断熱対応、外部への排出対応等が主となります。
また、成形機自体の実際の電力使用量をチェックしておく事も重要です。
油圧よりも電動、電動の中でもどの会社の成形機が省エネなのか?
ここをチェックしておき次の設備投資に
役立てるなどもしなければならないかと思います。

開発による、画期的な効率化(既存工程削減等)
非常に企業の命運につながるような、画期的な革新型研究や技術改善、
課題的な部分を徹底的に改善していく命題型の技術改善、
そして、他社や既存の技術をトレースする技術向上型改善など、
様々な種類のものがある。

先にも述べた通り、ここには戦略的な面で
結果が左右されてしまう部分が非常に多い改善群である。
安易に推進すると決めても、
どうしても、自己満足のレベルを脱し得ない、
もしくは、行き当たりバッタリ、
当るも八卦の運を天にまかせることになってしまいがち。
ですから、これについては、慎重に事を進めるべきであるわけです。

どうしても、どのような結果が欲しいのか?というところから入りがちですが、
次の自問自答を何度も繰り返してみるといいでしょう。
 だからどうなんだ?
 そうすると本当に良いの?
 結果としてどういう効果があるの?
こういった質問を繰り返してみる。なぜなぜ分析に近いテクニックです。

3回目まで、しっかりと答える事が出来るようなレベルであれば、
成功確率は非常に高くなると言えます。
逆に、尋問のような形になってしまう場合は、現時点での戦略では、
ほぼ成功は出来ないと考えるべきだと言えます。

例えば、
 結果:75T 20sで成形していた物を、15T 7sで成形出来るようにする。
 
問い:だからどうなんだ?
答え:生産能力が上がり、コストが削減でき、見積額も下げる事ができる
 
問い:そうすると何が良いの?
答え:見積価格が下がるので、受注が取りやすくなる。
 
問い:本当に受注は取り易いの?
答え:多分。。。
 
問い:どうして受注がとりやすいと言えるの?他社でもやってるのでは?
答え:受注が取れるかは営業活動次第、確かに他社でもやっている。
 
問い:この技術が確立したとして、どう売り込む?誰に売り込む?
答え:×××という部品を使用する○○○というメーカーに売り込みます。
 
問い:その部品、そのメーカー、大きくはその業界の将来性は?
答え:数年後には価格競争に巻き込まれ淘汰が始まっていく業界です。
 
問い:その企業は勝ち残る事ができるのでしょうか?
    そして、わが社は十分に利益を上げる事の出来る
    受注が確保できるのでしょうか?
答え:わかりません
  
問い:では、他に売り込める業界は?
答え:あるとは思いますが、今は分かりません。開拓が必要です。

このように、自問自答していくと、まずは、
 どこに売り込まなければならないか?
そして、
 受注して利益が確保できるのか?
こういった部分を事前に算段をつけて行く事が重要だと気付くはずです。

15T 8s 非常にすばらしい技術だとは思います。
そして、いろいろ道が開けてくるように感じてしまいます。
しかし、売れなければ、そして利益につながらなければ、ダメなわけです。

ここまでの説明で、何らかの方向性がつかめたのではないでしょうか?
今、出来る事を地道に進めていく、そういった姿勢が非常に重要です。

長くなりましたので、明日につなげます。
明日は、改善を推し進める王道的手法について触れてみたいと思います。