『改善 Part.2』

昨日は、朝からお客さんが来ました。

カミさんの結婚前からの親友が二人。
うち一人は、去年日本人と結婚して、暮れに出産。
夫婦と8ヶ月の男の子とで来てくれました。

もう一人は、自分の会社を持っていて、
日本と中国を行ったり来たり。
この頃は中国の方が多いみたいですが。

朝10:30頃に来て、昼過ぎまで色々お話を。
昼飯をって事で、食事をしに老外街へ。
にんにんという大阪にもある日本料理屋の支店へ。
確か、2004年にオープンした店なんです。
その時に一度行ったきり、訪れた事は無かったのですが。

まずかったです。
場所が良いだけですね。きっと。
高い、まずい、遅いの三拍子揃いました(汗)
第一、鉄火どんのご飯があったかくて酢飯でないってどういう事?
この間のドイツ料理屋さんの方がよっぽど良かったですね。

食事の後、またウチに戻り会話に花を咲かせて、
四時ぐらいでしょうか?お開き。

そのあと、カミさんにパソコンバックパックを作ってもらいました。
結構、素晴らしい出来で、お気に入りです!!
以下が写真(このブログ初の画像アップ!!)


そうそう、トルコで大きな地震が起きたようですね。
今年は、世界的に災害が非常に多い気がします。


さて、本日は『改善 Part.2』です。

昨日に引き続き、成形工場の改善についての内容です。
本日より結構具体的な内容に入っていきます。

それでは参りましょう!

昨日は、固定費、変動費削減に大きく効いてくる
1の改善を進めるべきという話をしました。

この1の改善に対し、なぜ優先的に重きを置き進めねばならないか?
これを説明します。

まず、成形加工というのは、設備産業であるといえます。
簡単に言うと、設備を動かしてナンボと言う世界です。

そして、会社経営の観点からは、
仕事があろうがなかろうが、固定費は必ず発生します。
固定費を下げる事は、損益分岐点を下げる事となり、
より利益体質が強化される事となり、
非常に重要なファクターとなります。

設備産業ゆえ変動費比率が高くなりがちですが、
固定費比率を低く抑える事が出来ると、
企業競争力も高くなり、非常に強い体質の会社と成り得ます。

それに加え、開発、技術革新などにより変動費比率を下げる、
言わば付加価値を多くとる事が出来れば更に競争力はアップし、
将来的に揺ぎ無い経営体質となるわけですが、
これは、先にも述べたように、
戦略と言う非常に重要な部分をクリアしている必要があります。

そして、この戦略面は、
企業のトップのしっかりとした信念を基に制定され、
実行される内容でありますので、
多くのビジネスマンにとっては、
手の付けようが無い部分でもあります。

一方、1の改善には、稟議等を通しさえすれば、
何とか実行にこぎつける事が出来る、
そういった改善でもあり、
小回りが利く部分とその即効性の効果
及びそれらを含めた経験に基づき
企業体質の強化が将来的に見込めるので、
手を付け易く効果の高い改善と言えます。

従いまして、1の改善に重点を置いて
進める事が先決であるといえます。

また、1の改善を通し培った経験と能力、
小さな成功体験の積み重ねは、
将来的にトップの企業戦略策定の
手助けをする事になっていくものです。
よって、重ねて申し上げますと、
手をつけるべきは1の改善と言う事になります。

これは、集中と選択の考え方ではありますが、
成形加工業の経営観点からは王道であります。

改善スローガンは、
 人を一人削減する
 材料を1g /shot削減する
 良品率(不良率)を1%改善する
 経費を1%改善する
こういう内容です

簡単な例で、その効果を説明します。

現在中国では、
ワーカーレベルの人員一人を雇用するに要する費用は、
概略3000元/月です。
この額は、年々上昇しており、
恐らく年15%程度は今後も上昇していくと考えられます。

すると、
1年目 36000元
2年目 41400元
3年目 47610元
4年目 54752元
5年目 62964元(⇒これでも現在のレートで6万円/月程度です)

この5年間の費用を考えますと、
24万元のコスト計上になります。

逆に言えば、人員を一人削減させる為に、
24万元までの投資は有だと言う事実が
ここにあるのが分かって頂けると思います。

丁度、設備償却が5年程度で計算されますので、
5年分の給与のみ単純計算していますが、
実際は、その他にも沢山の要素がございます。
人民元の切り上げ、物価上昇、人件費高騰により
設備価格は上昇の一途をたどります。
すると、今年は100000元で買えた物も、
来年は120000元となってしまう事もあり、
ここで大きな機会損失並びにコスト損失が生まれます。

通常、機械設備などはしっかりとメンテナンスをすれば
5年で使えなくなる可能性は極端に少なくなるはずですし、
導入が遅れれば、効果を享受出来る期間が遅れますので、
非常にもったいないという事となってしまいます。

ですから、可能な限り早く実施する事が好まれます。

しかしながら、失敗したら?という怖さがあるかもしれません。
投資したものの効果が全く無かった、
使えない物が出来てしまったなど、
リスクは数え上げれば切がありません。

これについては、しっかりと計画段階で煮詰めていく事で
大よそは防止できると考えます。
また、考え方を切り替えて、投資であると割り切ってしまえば、
リスクヘッジの為に投資銘柄の幅を広げるように、
改善投資案件を手広く同時流しすれば良いわけです。

上がり七割で収益が上がる計算であれば、
よほど最初の投資案がおかしくない限り
失敗はしにくいのではないかと考えられます。

また、このように手広く改善を流していくと、
効果の大きいものから小さいものまで
沢山の結果と言うフィードバックが発生します(当たり前ですが)。
それこそが、成功体験であり、
人を成長させる為にも重要な一つの要素であります。

当然、ノウハウの蓄積にもつながり、
ある時大きなイノベーションにつながっていくかもしれません。

したがって、失敗自体は特に恐れる事は無い!
と言い切れてしまうわけです。

少し長くなりましたので、明日につなげます。
今日は、固定費、変動費削減に大きく効いてくる
改善を進めるべきであるという事に対する理由を説明しました。
明日は、個別の改善に対する方向性を説明します。