『人員戦略の勘違い vol.2』

今日は、朝から上海市内へ。

カミさんを病院に連れて行き、
9月に一時帰国する時のチケットを発券し、
お昼を取ってから、マンションを4箇所見て、
そして、一旦家に戻り、造伍へ出発。

帰りは道がチョット混み合っていたので、少し遅れ気味。
今、地下鉄で移動しながら書いてます。

いやぁ〜、何れにせよ、良い家は見つからないねぇ〜。
そろそろ決めないと。。。

どうもこの頃は、貸し手市場に更に拍車がかかってきたよう。
日本の震災で、4月赴任が後に倒れたっていう会社も多々。
恐らく、そう言うのも少し関係しているのかも知れません?

本来、家購入に規制がかかってきて、売れなくなってきた結果、
賃貸にまわす方に切り替えてくるのが大きな流れと思ってたけど、
どうも、家賃設定が高く、オイラの予算では、、、ダメかも。。。


さて、昨日に引き続き、『人員戦略の勘違い vol.2』です。

今日は、効率改善の人員戦略についてです。

今現在、中国の人件費というのはどんどん上がっています。
年間15%ぐらいでしょうか?
上海で今年あたりは、最低賃金レベルのメンバーを一人雇うと、
会社によって様々な差はあるにせよ最低3000元/月はかかるかと。
ウチが3000元チョットだと思います。
という事は、人を一人減らす事ができれば月3000元のコスト減です。
間接等を削減すれば、もう少し額は上がってくると思います。

では、そのコストを削減する為にどういう事を展開するか?

一つは自動化ですね。
機械を入れて、人員を減らすわけです。
これは手っ取り早いですね。
コスト対効果があれば、回収がすぐ済めば、即導入すべきかと。

もう一つは、速度アップや不良率低減、生産性の改善です。
QC手法や5S、報奨金やら何やらで改善活動を進めます。
これは、改善した分が直結して利益に変わります。
しかも、継続する事で企業の体質や地力が上がり、
他企業との差別化、優位性を持つ事となります。
ですから、非常に地味ですが重要な活動ですね。

で、これらの展開の仕方ですが、
 『何時何時までに、効率を○○%上げよ!』
とか
 『コスト削減目標○○%!!』
と言うのは、スローガン、目標としては良いと思いますが、
それで経営数値に組み込んでしまうとテンパります。

あくまでも、推進は厳しく、上がった成果は棚ボタぐらいに考えるべきです。
そうするぐらいで丁度良いのです。
だって、結局のところ受注環境は刻一刻と変化していますし、
受注額は毎回のように下がっていく、材料は上がっていく。
付加価値が減った分を何とか改善でまわしていく感じですから。
それでも足りないぐらいなはずです。

自動化のほうは、単純に自動化すれば何人削減できるか?
そこからのスタートです。
例えば3人であれば、
 3人×12ヶ月×3000元で、108000元/年
100000元程度のコストがかかるわけです。
勿論次の年は給与レベルがまた上がるのでもう少し高くなります。

設備償却が5年で、回収は2年で行いたいとすれば、
ランニングコストを見込まずに考えれば、
人を一人減らすのに70000元は投資出来るのです。
この計算をしっかりする事が重要なのです。
要は、投資の見極め力が重要な要素となります。

ここを見誤ってしまうと、機会を逸してしまいます。

ウチでもありました。
自動選別機の導入で1台170000元、5名人員削減。。。
とっととやったらいいんですよ。
最悪たいして効果が出なくても、一人削減すれば3年以内に回収。
でも、未だに入れていない。
きっと今となっては、選別機も高くなっているでしょう。

ここ数年のコスト損失はいくらだったのでしょう???
ランニングコストは5年ぐらいの間は電気代程度でしょう。
そのあとは修理維持でだんだんとコストが発生するでしょうが。
償却費だって、月3000元いかない⇒ヒト一人分以下。
全くもったいない話で。
仮に失敗したって、、、こういうプロジェクトを10抱えて、
上がり7割で見てもメリットありありでしょう。

でもやらない。
ダメダメよね。

しかも、自動機を自分達で使っていくと、技術スキルも上がるもの。
だって、自動機屋に丸投げしてたら、簡単にはまとまらないもの。
そこを推進する事で能力アップもさせられる、一石二鳥なのですが。

トップは、試算シュミレーションをさせて、
良いって判断したら、即スイッチオンしてくれないと。
意思決定による損失コストって想像以上に大きいと思います。

まぁ、明日支払うキャッシュにも事欠くような経営状況では、、、
確かに難しいかも知れませんが、、、
そういう会社は、着実に退場の道を進んでいきますね。
そこは、営業戦略、経営戦略で立て直ししかないのです。

金も無いのに改善せい!!
そう簡単なもんでは無いんですよね。
もっとも、すぐに30%、50%の改善が見込める
無駄無駄工場であれば別ですが。

という事で、2回にわたり人員戦略について書いてみました。
どだったでしょうか?少しは参考になったでしょうか?

現時点で自分の置かれている立場でどうしようもなく、、、
勘弁してくれよって言う気持ち一杯なんですね。今。
本質を見ずに物事は進めようが無いのですが、、、
我侭に言ったところで。

ふぅ〜って感じです。
あぁ〜早く人入れてくれぇ〜!!!